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どら猫亭日乗

読書や音楽、時評もどき(?)など、なんでもござれのブログです。

名古屋フィル第435回定期演奏会

今日は、名古屋フィル第435回定期演奏会を聴きに行きました。曲目は次のとおりです。

ショスタコーヴィチバレエ音楽「黄金時代」作品22a~序曲、ポルカ、踊り
シュニトケヴィオラ協奏曲
ショスタコーヴィチ交響曲第6番ロ短調作品54

指揮:ドミトリー・リス
ヴィオラ:アンドレア・ブルガー
管弦楽:名古屋フィルハーモニー交響楽団

ドミトリー・リスさんは、ラ・フォル・ジュルネ音楽祭でも馴染み深く、ベレゾフスキーや庄司紗矢香さんなど共演したこともある、ロシア出身でそこでの音楽のエキスパートである。今回の定期演奏会で客演で指揮するとのことで、本当に楽しみにしていた。

今回はショスタコーヴィチシュニトケという、20世紀の作曲家の作品をプログラミング。共に戦乱や独裁政権に苦しめられてきた。そんな人生を経て、作曲した名曲を取り上げた。

バレエ音楽の「黄金時代」は、シニカルだけど楽しい曲。特にポルカは、アンコールで演奏されることが多い。木琴を効果的に使用したのが、ショスタコーヴィチらしい。

シュニトケヴィオラ協奏曲は、変わった編成で、まずヴァイオリンが登場しない。変わりにピアノ、チェレスタチェンバロ鍵盤楽器が用いられている。
「同じ時空を生きた必然的結果として、自分の音楽はショスタコーヴィチ系譜を引く」というシュニトケの発見あってか、この協奏曲はまさに彼の音楽性を引き継いだような曲になっている。幻想的で不安、恐怖を織り交ぜた曲には、当時の旧ソ連の政情を反映している。それに何も抵抗感もなく聴き入ったのは、自分がショスタコーヴィチ好きであるせいか。
ソリストのアンドレア・ブルガーさんは、昨年の東京国際ヴィオラコンクールで第1位、併せて名古屋フィル賞を受賞、その縁あって今回の定期演奏会出演に繋がった。このような難曲を弾ききった彼女は、とてもチャーミングな女性だった。
しかし、演奏の終わりがけにいきなり拍手があったのは、いい気がしない。もう少し待ってからのほうがマナーではないか。タイミングがつかみづらいというのはわかるが…。

ショスタコーヴィチの第6番は、前作の第5番や第10番という有名曲に霞んで、あまり演奏される機会がない。ショスタコーヴィチは一般的には、難解で陰鬱なイメージがあるようだが、案外面白いところもある。「黄金時代」もそうだが、リズム感も心地いいし、ちょっと予備知識を知っておくと聴く楽しみもある。
個人的に気に入ったのは、第3楽章。ヴァイオリンの小刻みに奏でるリズムがいい。最後の盛り上がりようは、とても好きで楽しい。
ちなみに、チャイコフスキーの有名な交響曲「悲愴」は、奇しくも同じ第6番ロ短調ショスタコーヴィチチャイコフスキーが嫌いで、その交響曲にからかっているように、最初は陰鬱、最後は華やかな感じで仕立て上げたのではないだろうか。

終演後のロビーには、先月起きた熊本地震義援金募金を、楽団の皆さんが呼びかけていました。お疲れさまでした。



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