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どら猫亭日乗

読書や音楽、時評もどき(?)など、なんでもござれのブログです。

名フィルコバケン・スペシャル2016

今日は、愛知県芸術文化センターコンサートホールで、名古屋フィルの特別演奏会コバケン・スペシャル2016を聴きに行きました。曲目はヴェルディのレクイエムです。

ソプラノ:安藤赴美子
メゾ・ソプラノ:清水華澄
テノール:西村悟
バス:妻屋秀和
合唱:岡崎混成合唱団&愛知県立岡崎高等学校コーラス部
指揮:小林研一郎
管弦楽名古屋フィルハーモニー交響楽団

ヴェルディのレクイエムは、2時間弱に及ぶ大作である。そのなかで十数年前に映画『バトル・ロワイヤル』の予告編でのBGMで使われて以来、今では有名曲のひとつになった。しかし実際、全曲聴けることはめったにないことだ。しかも、指揮者は“炎のコバケン”こと小林研一郎さん。すごい演奏になるのではと、楽しみにしていた。

ミステリアスに悲しみを歌う「安息を」「憐れみたまえ」、有名な「怒りの日」、ここでもコバケン節が炸裂。激しく劇的なメロディーも、鬼気迫る指揮ぶりで魅了した。熱情と悲しみが同居した、ドラマティックな曲を、完璧といえるくらいに描いていた。激しいといっても破綻がない、悲しみも苦しみも、慈しむようにコバケンさんは指揮をしている。

何より素晴らしかったのは、ソリストの歌手陣と合唱団だろう。ソリストの安藤赴美子さんは、この日体調不良になっていたが、そんなに感じなかった(彼女自身のTwitterによると、ゲネプロ中に声の不調になったとのこと)。特に最後の「リベラ・メ(我を解き放ちたまえ)」というこの曲の山場では、最後まで熱唱、我々聴衆を魅了した。まさに感激だった。
メゾ・ソプラノの清水華澄さんは、艶と張りのある美声で、ドラマティックな歌唱力である。前回のコバケン・スペシャルは生憎行けなかったが(マーラー交響曲第2番『復活』)、今回聴けてよかった。これからの活躍が楽しみ。
テノールの西村悟さん、レクイエムのなかで好きな「我は罪ある者として嘆き」は、美しく歌い上げて、あらためて、この曲がいいと思わせた。独唱としては比較的少ないが、魅力ある歌手として、存在感を出していた。
バスの妻屋秀和さん、まさに冥界の王のような威厳ある歌い方で、恐ろしいくらいだった。そんな妻屋さんは、今年9月には、モーツァルト魔笛』のザラストロ役で出演する。
そして、岡崎混成合唱団と愛知県立岡崎高等学校コーラス部の皆さん、忙しい中練習を重ねて、合唱の力を魅せてくれた。合唱が命といえるレクイエムなので、プレッシャーも半端ないが、力を出し合って歌い上げたことは、ソリスト陣やオーケストラに負けないくらいだった。本当にお疲れさまでした。

カーテンコールは、全部出しきった、やりきったという達成感で、ホール全体が満ちていた。聴衆の拍手もブラボーも、熱く温かいものだった。ソリスト陣、オーケストラ、合唱団、コバケンさん、そして聴衆のみんなが、一体となって喜び合っていた。このような演奏会は、本当に何年ぶりだろうか。この先も印象に残る名演奏になった。

コバケン・スペシャル、また機会があったら、聴きに行きたいです。今度は何の演目になるでしょうか。



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