どら猫亭日乗

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名古屋フィル第438回定期演奏会

今日は、名古屋フィル第438回定期演奏会を聴きに行きました。曲目は、次の通りです。

 

ニーノ・ロータ:交響組曲『山猫』

カステルヌオーヴォ=テデスコ:ギター協奏曲第1番ニ長調 作品99

ドヴォルザーク交響曲第7番ニ短調 作品70 B.141

 

指揮:ガエタノ・デスピノーサ

ギター:朴葵姫❨パク・キュヒ❩

管弦楽名古屋フィルハーモニー交響楽団

 

イタリアの新進気鋭の指揮者ガエタノ・デスピノーサを迎えての今回の定期演奏会。ニーノ·ロータの『山猫』は、『ベニスに死す』などのヴィスコンティの映画の傑作で、イタリアの貴族の恋と情熱を描いた作品の音楽を組曲にしたもの。僕は見たことはないが、映画音楽にふさわしい豪華でせつない組曲にしてある。ロータは『ニューシネマパラダイス』など、名曲揃いだった。演奏後のコンマスの後藤龍伸さんの笑顔がとてもよかった。

 

ギタリストのパク・キュヒさんは、これまでに数々の国際ギターコンクールに優勝または入賞した、これも新進気鋭であるが、かわいらしい女性で、赤いドレスも似合っていた。

テデスコのギター協奏曲は、小規模の編成で、バロック時代の協奏曲を思い浮かんだ。演奏も素晴らしく、ソロでも存在感があった。テクニックだけでなく、作品のニュアンスまで的確に演奏した。アンコールは、彼女がそれでよく演奏する『タンゴ・アン・スカイ』。このとき、デスピノーサさんが、木管セクションの席について、聴いていたのが微笑ましかった。

 

ドヴォルザーク交響曲第7番は、もろブラームスの影響を受けた重厚な作りの曲である。この曲もシリアスかつ美しい名曲だが、あまり演奏することはない。しかし近年評価が高まって、8番や9番『新世界より』と後期三大交響曲として、重要なレパートリーとなった。

これほど、熱い美しいドヴォ7があっただろうか?アレグロは炎のような勢いとエネルギーがみなぎって、ロマンティックなほんのり甘味がかかった美しさも、決して甘ったるくも重々しくはない。さらっとしすぎてもいない、バランス感覚のある演奏だった。この感じだと、ブラームスもいけるのではないか。

今回は、弦楽器セクションが見事だった。冴えた演奏は、名フィルが持つ魅力をデスピノーサが引き出したものか。その後、モーツァルト魔笛』を指揮を担当するが、そこでも話題になるだろう。

 

終演後、パク・キュヒさんのサイン会に行きました。とてもかわいらしい方で、見た感じ男性が多かったです。今度はアランフェス協奏曲を聴いてみたいです。


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