どら猫亭日乗

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バッハ・コレギウム・ジャパン名古屋定期演奏会

今日は三井住友海上しらかわホールでの、バッハ・コレギウム・ジャパン名古屋定期演奏会を聴きに行きました。約1年ぶりです。
プログラムは、オールJ ・S ・バッハでした。

管弦楽組曲第2番ロ短調 BWV 1067

結婚カンタータ『しりぞけ、もの悲しき影』BWV202

オーボエ・ダモーレ協奏曲イ長調 BWV1055R

カンタータ『すべての国よ、神を誉め讃えよ』BWV51


ジョアン・ラン(ソプラノ)

菅きよみ(フラウト・トラヴェルソ)

三宮正満(オーボエ・ダモーレ)

ジャン=フランソワ・マデュフ(トランペット)

鈴木雅明(指揮&チェンバロ)

バッハ・コレギウム・ジャパン

今回は、名古屋だけの特別プログラムという触れ込みだったが、昨日までにバッハの大作『ミサ曲ロ短調BWV232』を演奏していたこともあり、小規模な構成になった。室内楽のようなスタイルだが、演奏自体は悪くなかった。
管弦楽組曲第2番ロ短調は、菅きよみさんのフラウト・トラヴェルソによる演奏で、フランス様式の優雅で華やかな曲である。最初はフラウト・トラヴェルソの音色が聴き取りにくかったが、後半になって聴きやすくなった。特にパディネリは、演奏が早いだけに困難ではないかと感じるが、なめらかな感じが出たのはよかった。

ソプラノのジョアン・ランさんがソリストの“結婚カンタータ”は、聴いていて幸せな気分だった。彼女が、このカンタータに出てくる春の女神・フローラのように、歌声も美貌も素晴らしい。昨秋のBCJ全米ツアー&ヨーロッパ公演でもソリストに抜擢、絶賛されたというが、この演奏会でもその歌唱力を披露した。

オーボエ・ダモーレ協奏曲は、三宮正満さんがソリスト。“結婚カンタータ”でも見事な演奏ぶりだった。通常の(というのかな)オーボエより、柔らかい響きをもつダモーレ。その甘い少し深みのある音色と、巧みな演奏テクニックを、スマートにかっこよく弾けるとは。容姿もかっこいい三宮さん、女性はもちろん、男性も惚れたのではないですか?

再度ジョアン・ランが歌うバッハのカンタータ『すべての国よ~』でも、彼女の輝かしい美声は発揮され、これまた魅了された。ただ、ちょっと無理している感もあった。やはり今日までに歌い続いたせいもあるが、最後まで歌いきった。本当に素晴らしいソプラノであるし、今後の活躍も注目したい。
何より驚いたのは、マデュフさんのトランペットの演奏である。もうこれは、超絶技巧の域を達しているのではないか。栄光をイメージした感じも出ていた。現在のスタイルのトランペットを、どのように演奏しているのか、気になった。

最後に。後半開演前に、鈴木さんのレクチャートーク(?)があって、菅さん、三宮さん、マデュフさんが出てきて、それぞれの楽器の紹介をしていただきました。成り立ちから演奏法まで、興味深い面白い内容でした。
次回はどんな内容になるか、楽しみです。

 


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