どら猫亭日乗

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寺神戸亮・無伴奏ヴァイオリンリサイタル@宗次ホール

今日は、名古屋・宗次ホールで開催された寺神戸亮無伴奏ヴァイオリンリサイタルを聴きに行きました。

タルティーニ:無伴奏ヴァイオリンのための25の小ソナタより第20番ホ短調
ルーマン:アッサッジオ第4番ハ短調
ロカテッリ:カプリッチョト長調(ヴァイオリン協奏曲作品3-9より)
ギユマン:無伴奏ヴァイオリンのための12のカプリースより第10番ロ短調
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番ニ短調BWV.1004

寺神戸さんは、日本を代表するバロック・ヴァイオリン奏者のひとりである。今までCDで聴いてきたので、今回ライヴの聴くことができて楽しみにしていた。
やっぱり、ライヴで聴いたほうがいい。バロック・ヴァイオリンの艶やかな音色が、とてもいい。もちろん無伴奏で、寺神戸さんの演奏の素晴らしさ、宗次ホールの響きの良さもあって、バロック時代にこんな演奏をしていたのかと思わせる。
途中で寺神戸さんのトークもあって、興味深い話を聴けた。寺神戸さん曰わく、ヴァイオリンは難しい楽器らしく、それぞれの作曲家がヴィルトゥオーゾ(超絶技巧)を駆使して作品を出しているそうだ。それはヴィヴァルディからパガニーニに至って受け継がれている。
ロカテッリやギユマンのカプリースは、まさに超絶技巧と幻想味がある曲である。協奏曲のカデンツァに使って演奏してもいい、大らかな感じさえ伺える。

なんといっても、いちばんだったのが、バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番だろう。シャコンヌを含んだ、言わずと知れた名曲である。今まで聴いた演奏よりは、やや地味っぽい感じもある。今年4月に聴いた、アリーナ・イブラギモヴァの演奏にあった、鬼気迫る演奏ではない。しかしバッハの本質に迫った、着実ながら秘められた感情を引き出した演奏には、胸に迫るものがあった。
アンコールには、パガニーニの24のカプリースから第20番を演奏。パガニーニバロック・ヴァイオリンで弾くのはめったにないことだが、バッハのシャコンヌの余韻を受け継いだような気がして、意外ながら興味深い選曲だった。

今回はバッハ以降の無伴奏ヴァイオリンについてのプログラミングだったが、これはNHKFM古楽の楽しみ」の公開録音さながらで、本当に楽しめた。また聴いてみたいです。



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