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どら猫亭日乗

読書や音楽、時評もどき(?)など、なんでもござれのブログです。

2015年アーカイブズ:名古屋フィル第430回定期演奏会

今日は名フィル第430回定期演奏会を聴きに行きました。今回の演目は、次のとおり。

ホルスト:日本組曲 作品33 H.126
藤倉大:フルート協奏曲
ホルスト組曲「惑星」作品32 H.125

指揮:マーティン・ブラビンス
フルート:クレア・チェイス
管弦楽名古屋フィルハーモニー交響楽団

今回の演目は、ブラビンスさんの出身国・イギリスの作曲家グスタフ・ホルスト組曲を中心に、そして今回世界初演した藤倉大さんのフルート協奏曲である。
ホルストが日本の舞踏家・伊藤道郎のために作曲した「日本組曲」は、漁師の歌や越後獅子など、日本民謡の旋律をモチーフにしたもの。プロコフィエフプッチーニなど、日本の音楽に魅了された作曲家はいるが、ホルストもそのひとりであることは知らなかった。
ファゴットから演奏する漁師の歌から、エネルギッシュな狼たちの踊りまで、バラエティ豊かに散りばめられた佳曲。日本人には馴染みやすい曲だが、後で演奏された「惑星」ほど有名ではない。CDもあまりないようなので、YouTubeで探すしかない。

藤倉大「フルート協奏曲」はモーツァルトイベールのような、単なる協奏曲ではない。全種類のフルートを駆使して演奏するのだ。通常のものから、ピッコロにテナー・フルート、コントラバス・フルートと、まさにフルートを一堂に集めた協奏曲である。
冒頭からいきなり鬼気迫る演奏するので、さすがに面食らってしまい、びっくりぽんだった。メロディーも先の「日本組曲」を聴いたせいか、それっぽい感じもしたし、ちょっぴりグロテスクだったり、幻想的だったりもする。ソリストのクレア・チェイスさんは、演奏するのに大変ではないかと思うくらい、4種類のフルートを弾きこなし、世界初演の成功を果たした。
全曲終演後、ポストリュード(いわゆるミニコンサート)で、同じ藤倉さん作曲の「リラ」を演奏した。これはフルート協奏曲のカデンツァとおぼしき曲で、これも素晴らしかった。また冒頭の日本語でのスピーチも上手で、とても素敵だった。

何より聴けてよかったのが、ホルストの代表作・組曲「惑星」だ。これは、僕が初めて好きになったクラシック音楽で、いろんな演奏を聴いてきた曲である。今回生演奏で聴くチャンスに恵まれ、今日を楽しみにしていた。もう大満足で、大編成のオーケストラの底力を見せた名演奏だった。第1曲の「火星」の戦争を思わせる激しい悲劇的な曲の冒頭から、ぞくぞくする感じが出た。「金星」の穏やかで優美な雰囲気、「水星」のチャーミングなスケルツォ、中間のメロディーを歌詞をつけて平原綾香が歌って話題になった有名曲「木星」、逃れられない宿命を描いた「土星」、デュカスの「魔法使いの弟子」を思わせる「天王星」、後半で女声合唱が加わり神秘的な世界を繰り広げる「海王星」。どれも名演奏。ブラビンスさんは、オーケストラの持ち味を最大限に引き出す、まさに“魔術師”ではないかと思った。本当にファンタスティックである。

最後に、ポストリュードでクレア・チェイスさんの演奏を客席で聴きにいらしたブラビンスさんと藤倉さんを見かけたので、厚かましくもサインをしていただくよう依頼したら、快く引き受けていただきました。ありがとうございました!



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